重度障害者の一番の理解者は親です。
でも、いつも親と一緒とは限りません。
コミュニケーションが困難な障害者と、第三者が接する時の留意点を理解してますか?
さらに、特別な理由がなければ先に親が亡くなって障害者が残されます。
親からすると非常につらいことです。
せめて、お金だけでも残そうとされます。
でも、単にお金を残すだけでは解決できないこともたくさんあります。
では、どうすればよいのかをまとめました。
重度障害者も感情があるのです。
私の妹も生まれながらの脳性小児麻痺で座ることもできない障害者です。
漠然と親が亡くなった後は私自身が面倒を見なくてはならないと考えていました。
しかしながら、時が経ち私自身が結婚して家庭を持つと、親のような介護はできません。
仮に、引き受けたとしても妻が介護するには、重労働で現実味がなく、やはり、施設に入れるしか選択肢がありません。
でも、重度であっても身体障害者の場合ハッキリとした意識も感情もあります。
言語障害によって、言葉が発せられない人でも良し悪しや好き嫌いが明確にあります。
妹は勝手に物事を決められると怒りますし、一度怒らせるとそれ以降のコミュニケーションは取りにくくなります。
妹の友人はその場は静かにしていても、急に怒り始めたりします。
日本では、障害者の心情を無視して健常者で物事を決めて進もうとする風潮が多く見受けられます。
重度の身体障害者とのコミュニケーションは確かに、難しいです。
でも、意思と感情は絶対にあるということを念頭において接しています。
大事なのは、障害者の介助ではなくて一人の個人として接することですね。
重度障害者に選択肢を与えない
重度の身体障害者とのコミュニケーションは困難です。
障害も個々人で変わってきますのでコミュニケーションの取り方も様々です。
普通に話せる人から、言語にも障害がある人、文字盤で会話する人などいろいろです。
もちろん、コミュニケーション困難な人もたくさんいます。
最近では、買い物をするときに商品選択をじっくりと聞いてくれる風潮になってきています。
でも、一緒に同行している人が意思確認を怠ったり、しなかったり、勝手に決めつけたりする。
このようなこともあると聞いています。
その場で、怒りを全面に抗議でする人、一方で、ぐっとこらえる人もいます。
同行する人が、注意深く様子を確認しないとこのようなことが繰り返されることに。。。
ある種DVを受けているように諦める人もいるようです。
妹も買い物をするとき同行する人によって、行きたい場所を明確に伝えることもあれば、連れて行かれる場所で我慢したり、その時々で対応を変えていたようです。
十分な時間を取って、意思確認をして同行者が勝手に判断することを意識しないとこの状況は減っていかないと思います。
重度障害を個性ととらえる
日本では重度障害者を見かける時に「かわいそう」とよく言われます。
妹の車椅子を押している時にも同様の言葉を多く耳にしました。
でも、妹は自分自身を不幸とは考えず毎日、楽しく暮らしています。
もちろん自分自身では歩けないし座れない。
この現実は認識していいます。
代表的な交通事故の他、妹のような脳性小児麻痺や筋萎縮症のような病など重度障害者になられた要因は各々で異なると思います。
しかしながら、不幸と考えている障害者はいないと思います。
障害者を不幸と考えているのは一般の健常者の偏見だと思います。
妹を含め重度障害者の障害はその人個人の個性だと考えてほしいのです。
座れないこと、歩けないこと、一人では食事ができない、トイレも介助が必要言語障害でコミュニケーションも苦労する。
これらを個性として見ていただけると重度の障害者であっても普通の個人としてお付き合いできます。
何でもかんでも、介助・支援するのではなく、必要な時に十分な介助・支援をお願いします。
特に、重度障害者が助けを求めた時はできる限りの介助と支援をお願いします。
重度障害者が収入を得る方法
重度障害者の方は障害者年金は受給済と思います。
脳性小児麻痺のように出生時から重度身体障害となった場合には、会社勤めはほとんど見込めません。
養護学校から公立の福祉園や作業実習所に通所している方が多いと思います。
「障害者自立支援法」は定められていても重度の障害者は介助が必要となるため、自立生活は困難です。
親が介護してるか、施設に入所しているかのどちらかだと思うんです。
このような状態を前提として収入を得る方法があるのか気になります。
重度障害者が収入を得られなくても財産を引き継ぐことは可能です。
でも、財産の残し方を考ええないと思った生活が送れないこともあります。
財産の残し方については、あとでお話しします。
さて、収入を得る方法ですが、今の時代だからこそできるという方法があります。
それも、障害者の方と思い出を残しながら収入を得る方法があります。
それは、旅行に行って思い出をつくり、その方法を他の方に教えてあげるだけです。
旅行先で思い出を作って、その楽しさを多くの知り合いにお話ししてください。
楽しい記憶の中で、苦労したこと知っていると役に立つこといろいろと教えてあげてください。
そうすると、なぜ旅行をするだけで収入を得られるのか聞いてくる知人がいらっしゃいます。
そのお知り合いに、この方法を是非、教えてあげてください。この収入を得る方法そのものを引き継ぐこともできます。
旅行が好きでない人は少ないと思います。
その旅行で収入を得ることができます。
好きなことで収入を得られるんです。
重度障害者への資産の残し方
大きな問題があります。
それは、年老いたものから亡くなるのです。
脳性小児麻痺の方の多くは寿命が短いです。
筋萎縮症の方も発症後は短命と聞きます。
私の妹の場合、担当医師から脳性麻痺のため、寿命は中学生あたりと言われたそうです。
でも、それは一般的にということだけです。
もちろん、長寿のかたもいらっしゃます。
このような重度障害者の方を残して死にきれないのがご両親だと思うんです。
私の父親はすでに亡くなっていますが最
後まで気にかけていたのが妹のことです。
「俺が死んだら誰が面倒を見るんだ!」
これが口癖でした。
結局、妹よりも早く亡くなってしまい、無念だったと思います。
私の親もそうですが、親亡き後のために残される子のために財産を残そうとします。
その時には、注意が必要ということを知っていますか?
重度障害者の場合、コミュニケーションが困難な方も多いと思います。
重度障害者自身が財産管理をできない場合、名義を子の名前にすることが問題なんです。
親が亡くなると成年後見人が選任され、財産を管理するため信託銀行に預託されることもあります。
重い障害はコミュニケーションがとれず、意思表示ができない人もいます。
重度障害者は施設に入所して生活のほとんどが年金や補助金で賄われることが多いです。
障害者から要求がない限り、残された財産が使われることなく、最終的には国に帰属することになります。
子の名義の場合、法的には贈与とみなされ、子本人の意思でしか利用できません。
でも、前述のように意思確認ができないため、手付かずの状態になることが多いそうです。
そのため、財産は弁護士などを通して、家族信託の「後継ぎ遺贈」するとよいようです。
親が生前に財産を子に取得させます。
子は親の死後は親族や第三者から世話を受けます。
さらに、子が亡くなった時に世話をした人がこの財産を継承する方法です。
財産の継承については重度障害者の共通の問題だと思います。
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